死生観と安楽死の問題について
不治の病気の末期患者が、延命治療に意味を認めず、耐えられない苦痛を味わいながら生きるよりも一刻も早く死を迎えることを願い、その実行を医師に依頼すること。これが安楽死です。薬物を投与したり医療行為を中止することで、患者は死に至ります。方法によっては、尊厳死と同義に扱われる場合もあります。
スイス、オランダ、アメリカの一部などでは裁判によって安楽死が認められましたが、日本では法的に認められていないため、実行すれば刑法上は殺人罪に問われることとなります。医師にとっても重大な選択を迫られることになるわけです。
一方で、見方を変えれば、これは患者自身の死生観が大きく関わる問題と言えます。苦しみを取り除くことを第一に考えれば、患者の「死ぬ権利」を尊重してもらいたい、という主張も十分に成り立ちます。しかし、それは同時に、医学上・法律上の“常識”と真正面から対立することになります。
患者の“権利”との兼ね合いもあり、まだまだ論議を呼ぶ問題だと言っていいでしょう。